北海道日本ハムファイターズから、チーム編成等を担うGMに、ファイターズのOBで、東京オリンピック日本代表・侍ジャパンの監督を務められた稲葉篤紀氏が就任されることが発表されました。
ファイターズファンの皆様にとっては、来シーズンへの期待が膨らむ一方で、今シーズン限りで、斎藤佑樹投手や谷口雄也選手が現役を引退されることも発表されておりますので、つらく寂しい時期にもなっているのではないかと思います。
この時期、日本野球機構(NPB)のプロ野球選手に関する報道をよく目にしますので、今日は、そのプロ野球選手とNPBに所属する球団との契約について、少しだけ触れてみたいと思います。
プロ野球選手は、個人事業主として、球団との間で、選手契約を締結しています。
この選手契約は、毎年2月1日から11月30日までの10か月間、選手がプロ野球選手としての特殊技能による稼動を球団のために行い、球団がその稼動に対する参稼報酬(報道等えはよく「年俸」と言われます。)を選手に支払うこと等が内容となっています。
シーズン終了後によく耳にする「契約更改交渉」は、球団と選手との間で、翌年の参稼報酬(年俸)等の選手契約の内容に関して協議することをいいます。
しかし、各球団の一軍の試合に出場できる支配下登録選手の枠が70人となっていることもあり、各球団は、毎年ドラフト会議で指名し契約する選手を見込みながら、この70人枠を維持するために、この時期に、来季以降のチーム編成上、戦力の構想外になってしまった選手と契約を結ばないことを球団が選手に通達する、戦力外通告というものを行っています。労働基準法上の解雇予告のようにもみえますが、選手契約は、雇用契約とは考えられておりませんので、厳密には異なります。
そして、戦力外通告を受けても、現役でプレイし続けることを希望し、トライアウト等を受けて、自由に移籍先を探すことができるようになる自由契約の手続を選択する選手もいれば、任意引退を選択される選手もおります。
シーズン中に、選手自身が、自ら「今シーズン限りで引退」を表明されることもありますが、この時期は、特にプロの世界が厳しいものであることを実感します。
今年は、リーグ5位のファイターズですが、この度、次期監督に新庄剛志氏が就任することも発表されましたので、来季のファイターズからは目が離せなさそうですね。
弁護士 田村 暢健