2020
07
06
離婚調停はいいものだ!?

当事務所では,不動産に関する案件や借金に関する案件,相続,交通事故,医療事故など,さまざまなジャンルの案件を取り扱っていますが,その取り扱っている案件の中に,離婚に関する案件があります。

「離婚,弁護士」と聞くと,「離婚調停」を連想される方がいらっしゃるかと思います。皆さん,離婚調停に対しては,どのようなイメージをお持ちでしょうか。「離婚調停」は,とても大がかりなもので,ものすごく重大であるというイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますし,中には,強引に離婚をさせられるというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

確かに,多くの方にとっては,「離婚調停」はなかなか縁遠いものかもしれません。しかし,私は,離婚調停って,意外と柔軟で,使い勝手のよいものだと感じています。というのも,私は,昨年の10月まで4年間,「家事調停官」という離婚調停を含めた家事調停のみを取り扱う,非常勤の裁判官として週1日,家庭裁判所で勤務していました。そこの業務の中で担当した事件の大部分は離婚に関する事件でした。そのため,一般的な弁護士として経験できる事件よりも,はるかに多い離婚調停を経験することができました。その経験の中で,離婚調停は,話し合いによって,解決を図るというもので,話し合いの内容によっては,とても柔軟な解決ができるものだなと,実感しました。

離婚調停では,もちろん,離婚という結論で終わることが多かったです。しかし,とりあえず,様子を見ようということで,当面の間別居をするという結論となったこともありましたし,中には,もう一度やり直そうという結果のこともありました。この意味では,離婚調停は離婚ありきのものではありません。その話し合いの中では,やり直すために,お互いに,どのようなことを気をつけるべきなのかということを話し合うということもできます。

また,離婚を前提とした場合には,財産分与などの金銭に関する話をする必要が出てきますが,調停であれば,財産の処分の方法などを柔軟に話し合うことができます。例えば,財産分与において,共有財産として不動産がある場合には,不動産を売却を試みて,その売却ができたのちに,実際の売却代金を分けるという合意をすることも不可能ではありません。

このようなことを考えると,離婚をしたい,又は,夫婦関係を改善したいけれども,夫婦のみでは,うまく話ができないという場合には,気軽に調停を利用されたらいいのではないかと思います。そして,その調停手続でのサポートが必要だとなったときには,遠慮無く,ご相談ください。

弁護士 大町英祐